10月16日 スティベルト(Stibbert)美術館&バルジェッロ国立博物館
朝夕は寒くなりましたが、日中は未だシャツ一枚で過ごせる気候で、ここ数日は雲ひとつない快晴の天気が続いています。
昨日からある調査をしていて、今週はいろいろな美術館を巡ります。
今日は二つ。まず最初は、フィレンツェ駅から4番のバスに乗っていったのですが、思いがけず半時間も早く到着してしまったスティッベルト(英語読みだとスティバートです)美術館です。この私立美術館は、イギリス人スティッベルトの個人コレクションを彼の元邸宅に展示しているものです。開館まで館の横にある庭園で美しい小鳥の鳴き声をききながらリラックス。このような別荘と庭園を持つ生活とはいかがなるものかと想像しながら開館を待ちました。
美術館は道案内つきなので、通常あまり思うように時間をかけて鑑賞できないのですが、今日は幸い私たちだけでしたので、我侭をきいてもらいながら見ることができました。スティッベルト美術館の白眉はなんといっても、甲冑コレクションです。西洋、中東、東洋と「よくもこんなに集めたな」と感心してしまうくらい数多くの甲冑が展示されて、迫力があります。残念ながら、道案内が目を光らせていたので、こっそり写真もとれなかったのですが、何ともいえぬ雰囲気の展示法です。また、ヨーロッパ人の金持ち&インテリによくある東洋趣味があり、日本の壺、伊万里、中国の陶磁器などが部屋の装飾を更にデコラティブに演出しています。しかし、同行した中国陶磁器専門家の方によると“つかまされた”作品が多いとのこと・・・。確かに、私が見ても「これはいかがなものか」と思われる、いわゆる「オリエンタル趣味」の作品があります。(しかしながら、西洋人の目から見たオリエンタル観の研究には役立つ代物といえるでしょう。)自分自身が目利きであることと、優秀な古物商とのコンタクトが、質の高いコレクションの形成に重要な役割を果たしていることがわかります。
つぎに市内へ戻り、向かったのはルネサンス彫刻コレクションで知られるバルジェッロ国立博物館です。バルジェッロはもちろん、ミケランジェロの〈バッカス〉や〈聖母子像〉、
ドナテッロの〈ダヴィデ〉などで有名な博物館ですが、なんと言っても中世の館の雰囲気と彫刻作品との調和が素晴らしい空間です。今回興味深かったことは、まず、二階の彫刻の間で、ドナテッロ〈ダヴィデ〉の修復作業が公開されていたこと。横に寝かされたダヴィデに、顕微鏡を使いながら丁寧に作業を進めている修復家が展示室の真ん中におり、観客がそれをじろじろと見るというもの。彼女はちゃんと集中して作業できるのだろうか・・と少し心配になりましたが、なかなか見ることの出来ない姿であることも事実で、私もついついじろじろ見てしまいました。それから、やはり二階の最初の展示室に今まで倉庫に眠っていた(と思われる!)トスカーナ大公の16世紀イタリア・マヨリカ陶器コレクションのセクションが作られていたということ。グロテスク文様や神話主題などが色鮮やかに描かれた大判の皿が並び、なかなかの迫力でした。最後に、なんといってもこの博物館での私のお気に入りは、フランチェスコ・デ・メディチの治世下、宮廷彫刻家として活躍したジャンボローニャのブロンズ像たちです。
孔雀、フクロウ、七面鳥など様々な鳥類が、超リアリズムで作られており、今にも動き出しそうです。このようなリアルな彫刻は、他にもメディチ家の別荘カステッロにジャンボローニャが制作しています。鳥のなかでも七面鳥は、15世紀末にコロンブスが「発見」した「新大陸」から運ばれた、珍しく、高価な鳥であったことがわかっています。
今日は、まったく異なる所蔵作品をもつ美術館二つを紹介しましたが、双方とも大変魅力的な空間作りをしている美術館です。
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コメント
楽しい!!
こんな楽しいブログは見たことありません。
胸がドキドキしながら読みました。
フィレンツェに行きたい。
投稿: | 2007.10.17 12時05分